デフサッカー日本代表GK松元卓巳選手 ワールドカップ2016開催記念インタビュー(その1)

 

 

 

 本日より(2016年6月15日)、サッカーワールドカップがイタリアで開催されることを知っている人はどのくらいいるだろうか。「サッカー観戦が生活の一部」と断言できるほどのサッカーファンの中であっても、知ってる人は少数派であることが予想される。もちろんそれは、今あなたが思い浮かべているであろうネイマールクリスティアーノ・ロナウド本田圭佑らが出場する「FIFAワールドカップ」ではない。来月から行われるのは聴覚障害のあるサッカー選手による「デフサッカーワールドカップ2016」。その開幕を前に、デフサッカーの魅力や難しさとは何かを知るべく、日本代表として出場する松元選手にインタビューを行った。  

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松元卓巳(まつもと たくみ)選手プロフィール

1989年8月7日生まれ。福岡県出身。身長175cm/体重71kg。ポジションはGK。 宇美Jr.SC →宇美中 → 溝辺中(鹿児島県)→ 鹿児島実業高 →九州共立大 → 光陽クラブ(福岡社会人リーグ1部)/福岡ケルベロスFC(デフサッカークラブ) *2クラブに所属 鹿児島実業高2年次より現在までデフサッカー日本代表に選出されている。

ーサッカーを始めた時期と、その理由を教えてください。

小学校2年生の時です。もともと外で遊びまわるのが好きで、雨の中でも屋外で遊んでいました。それを見ていた近所のお兄さんが、母親を通じて「一緒にサッカーをやらないか?」と誘ってくれたのがきっかけですね。

ー耳が聞こえないという障害のある中で、サッカーを始めることに抵抗や不安はなかったのでしょうか?

特になかったですね。健常児と同じく、普通学級に通っていましたし、何の抵抗もなかったです。ただ、中学、高校と、少しずつ歳を重ねるにつれて、会話についていくことに難しさを感じるようになりました。

ー難しさを感じるようになった要因は何が考えらますか?

内容が複雑化する事と会話スピードが上がるという事が理由ですね。 話す語彙も豊富になる事で、似ている言葉の聞き取りが難しかったり、唇から読み取りづらくなったりして、ストレスを感じてしまう状態になりました。

ーそれはサッカーに影響も?

そうですね。高校時代、ベンチやフィールドプレイヤーからの指示が分からず、ゲームの流れを止めてしまったこともあり、その度に悔しい思いをしていました。 中学まではスタメンでキャプテンだったのですが、高校時代は2軍。なかなか思い通りにいかず、苛立ちや焦りを感じ始めていましたね。

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キャプテンまで務めていた中学時代から一転し、2軍暮らしが続き、徐々に焦りや苛立ちを感じ始めた高校時代。

しかし、そこで人生最大の転機をもたらす出会いが訪れる。

(その2へ続く)

 

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